自然療法「森の学校」は、昨年秋からロダン21で事務局を引き受けてスタートした。
アロマテラピー、ハーブ療法等を取り入れた学校だ。
この学校を立ち上げるにあたっては、人の縁の不思議さを感じずにはいられなかった。
最初はモノ作りの街東大阪で、しかも製造業の異業種グループロダン21において、
とてもミスマッチな感じがした。
しかし、ことの発端は私が「モノ作りの根幹は農業だ。」と言い出してからだ。
地元奈良で少しずつ鍬を振って畑を耕しているうちに様々な出会いがあり、
気がつくと若い人も徐々に集まってきた。
いつの間にやらトントン拍子で組織化の入り口までたどり着いた。
今回は、そんな自然療法「森の学校」について書いてみたい。
”自然療法「森の学校」は、究極の生涯学習”
人は周りにモノが無ければ忘れてしまうものである。
昔、たくさんあった学習素材がなくなっている。
子どもたちの学習は、机の上だけでは本当の意味での勉強にならない。
実学として本物を見て、触ってみて、匂いも嗅いでみて初めて脳の中にインプットされる。
特に、多種多様な生物を復活させて学習することは、人の生命の根源を守ること
にも繋がっている。
日本では、ニッポンパラタナゴやニホンメダカ、モロコ、フナ、コイ、ハヤ等、
その他たくさんの生き物が池や川に生息していた。
しかしそれらのいくつかはすでに絶滅危惧種となっている。
今では山に入って小川を見ても、沢ガニがいない。田んぼにはカエルもゲンゴロウも、
そして蛍もいない。
私が名前を知らないたくさんの生き物達も、いなくなっているのではないか。
そしてそれらの生き物がいなくなったということは、我々人間も住みにくくなって、
やがては命を脅かす社会となっていってしまう。
そんな中、日本の国も遅まきながら、それらを守る法律だけは作った。
「生物多様性基本法」がそれだ。
分かったような、分からないような法律だ。
地球上の生物は互いに補完し合いながら生かされている。
もちろん人間もその一員だ。
しかし絶滅危惧種が多くなっていきているということは、
人間も危なくなっているということだ。
話を元に戻すと、ロダン21で始めた自然療法「森の学校」は
究極の生涯学習だと考えている。
なぜなら、そこでの学びは自然から命をもらっているということを学んでもらうからだ。
自然を大切にするということは、我々自分自身の命を大切にするということだ。
このごく当たり前のことを、生活の中で、生涯通じて学んでもらうための
カリキュラムがここにある。
”「自立して生きる」という本当の意味を知る場”
今の世の中は、あまりにも他人や他力に依存的で、そのために手軽さ、便利さを追求しすぎだ。
おかげで人間本来の感性が鈍く、おかしくなっている。
病気になったらすぐに病院へ行く。
それ自体は間違いではないが、しかしその前に自分の五感を使って判断するというプロセスがなさ過ぎる。
例えば、五感のうち特に嗅覚が鈍感になると、腐った食物の匂いが分からなくなる。
現に先日も、あるレストランで料理から微妙な腐敗臭がするので苦情を言うと、ウエイトレスの女性は首を傾げてそのまま皿を厨房に持っていった。
そして戻ってきて、「たぶん、酢の匂いが強いだけだと思います。」と答えた。
おそらく、そのように返答するように厨房で指示されたのだろう。
しかし、女性は納得のいかない表情のままだった。
結局は新しい料理と取り替えてもらったが、怖いと思ったのは若い女性が腐敗臭を嗅ぎ分けられなかったことだ。
生きる力が低下していると感じた瞬間だった。
自分の健康を病院にお任せして、おんぶに抱っこの状態だと、人間は生きる力を低下させてしまう。
しかし自然から学び、自らの五感を磨き、自然と共生する感性を養うことは、自分自身の生きる力を高めることにつながる。
共にモノを大切にし、活かして使い、遊び、食す。
その喜びを知る場にしたい。
”自然療法「森の学校」のコンセプトは、人間本来が持つ力強さを取り戻すこと”
今年の花粉症は特にひどい。
私も、杉花粉で目をやられて、目を開けていられないくらい辛いものだった。
次の檜花粉は、鼻水が出るわ出るわ!
くしゃみ連発で、皮膚までかゆくなる。
毎日マスクは絶対に手放せない。
空気も、黄砂やPM2.5のせいだろうか、または微量の放射性物質のせいだろうか、息をするのもしんどい状態だ。
家に帰って空気サプリメントのミストを浴びて、やっと一息つける。
なんと情けないことか。。。
これからは、近代的な良い所と、昔ながらの良い所の融合を図るコーディネーターや、専門家の養成が必要だ。
自然療法では、人間が本来持っている、自らが自らを治癒していく療法だ。
人間を自然や宇宙の一部として捉え、地球上の全てのものを生活や健康に役立てていく。
これは、一昔前までは当たり前だったが、今では当たり前ではなくなってしまった。
自然と共存するバランスを保ち、人間本来が持つ力強さを取り戻すことに繋がるだろう。
そんな、昔は当たり前であったことを思い起こし、そういう人たちをたくさん育てていきたい。
自然療法「森の学校」を、そんな場所にしたいと思っている。
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