スターモスク
東大阪商工会議所の産業視察海外ツアーに参加してきた。
行き先はバングラディッシュと香港だ。
バングラディッシュという国は、名前は知っていたものの、ほとんど予備知識の無い国だった。
今回ツアーに参加した目的は、特には無い。
ただ、バングラディッシュがアジアで一番発展が遅れている国だと聞いていたので、どんな国なのか見てみたいと思った。
ダケッシュリ寺院、ヒンズー教のお寺
面積は日本の約60%。
人口は1.6億人(世界で7番目に人口が多い国だ)
元々バングラディッシュはインドの一部であったが、西パキスタンと東パキスタンが対立し闘争した結果、インドの後押しを受けて東パキスタンが勝利した。
その後1971年にバングラディッシュとして正式に世界の139番目の国家として独立した。
ダケッシュリ寺院
この時、先進国の中で一番最初に独立を承認したのが日本だ。
また、バングラディッシュへの最大の支援国でもある。
バングラディッシュはまだまだ貧困層の割合が多い国であるが、しかし、今中国から多くの企業がバングラディッシュへ工場を移転し始めている。
その主な業種は繊維業界の縫製工場だ。
その一例としては、ペガサスミシン製造株式会社が工業用ミシンを輸出し、2008年にはユニクロがバングラディッシュへ進出した。
自動車メーカーではホンダも年内には合弁会社を設立して二輪の販売を始めているらしい。
ダケッシュリ寺院池で遊ぶ子供たち
バングラディッシュは中国の1/5の労働賃金で、人口も55%が25歳以下という若い国である。
真面目で仕事に対する集中力がある。
宗教はイスラム教徒が多数を占め、その他のヒンズー教、仏教徒は少数派だ。
国旗は日本の日の丸を参考に、緑地に赤い丸だ。
赤は太陽と独立の為に流された血を表しているらしい。
また、ノーベル平和賞を受賞して有名になったグラミン銀行。
この銀行が行うマイクロクレジットは、失業者や十分な資金のない起業家に対しての小額融資制度だ。
ダッカのイギリス領時代の宮殿
ダッカの港1
今、中国の労働賃金が上昇し、繊維業界ではバングラディッシュの輸出量が全体の80%を占める程になっている。
また、バングラディッシュは安い人件費を売りに、世界から製造業を国策として誘致している。
しかし、まだまだ電力が不足して停電が頻発する等、インフラが整っていないのが現状だ。
ダッカの港2
バングラディッシュでは電力不足が問題にはなっているが、地下を掘れば天然ガスの宝庫である。
日本の技術供与を待っている。
バングラディッシュ国内を走っている車は、ほとんど日本車で、ガス車がメインだ。
ガソリンが日本よりも高く、1ℓあたり200円ぐらいになっている。
バングラディッシュ国会議事堂
バングラディッシュの食事はほとんどがカレーで、種類も色々あった。
日本人である私には辛くて食べられないものもあった。
水は生水を飲むのは厳禁で、コーラやスプライトが水よりも安く売られている。
街の治安は良いとは言えず、気軽に散歩できるような場所ではなかった。
バングラディッシュの商工会議所
今回の旅では、バングラディッシュ到着の翌日には国会議事堂を訪問し、2日目には電気エネルギー省を訪問。担当大臣と役人役10名と会議の席が設けられた。
その後は商工会議所を表敬訪問し、約200名の現地の会員の方々にヒアリング。
その際、日本の東大阪からやってきたということで、テレビ、新聞等多数の取材を受けた。
それら会議の議題としては、終始バングラディッシュへの企業誘致についてだった。
3日目にはダッカ北部の工業地域を視察。主な視察先は日系企業のYKK訪問だ。
YKKは、従業員2000名の大規模工場である。
かなり早い時期からバングラディッシュに進出して成功を遂げており、歴史を感じる工場だった。
その他輸出加工区を視察し、まだまだ発展する可能性がある奥の深さを感じる国だった。
窓ガラスが割れているバングラデシュのバス
ゴミだらけの河川
同日、ダッカ市内を視察した。
ダッカを象徴する河川港は、日本の河川では見る事のできない大きな港で、数えきれないほどの船が停泊しており、非常に活気があった。
宮殿前にいた子供たち
ダッカのイギリス領時代の宮殿は美しく、大きい。
旧市街にあるスターモスクは、ダッカで一番美しいとされるモスクである。
また、ダケッシュリ寺院はヒンズー教のユニークな形のモスクだった
香港の船上レストラン
その後一路ダッカを後にしてカトマンズ経由で香港に向った。
ダッカの後の香港は、その落差は激しくホテルにチェックインした際はホッとした。
この落差は行った者にしかわからないだろう。
空気が良い、水が安心して飲める、トイレのウォシュレットを使用して安心して用を足せる、こんな日本では当たり前のことが、改めて海外に行ってみると有り難く感じる。
今回は驚くことの多い旅だったが、改めて日本は良い国だと感じる旅であった。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。