実はこの歳まで「ハレとケ」という言葉を知らなかった。
ところが先日、縁あって岸和田に講演で呼んでいただくことになり、岸和田という街の起こりについて調べるうちに、岸和田のだんじり(地車)祭とこの「ハレとケ」の言葉の意味を知ることとなった。
岸和田といえばだんじり祭と多くの人がイメージするぐらい、全国的に有名な祭だ。
調べてみるとだんじりは各町内に84基もあり、中でも、1基が約1億5千万円以上もするものがあるらしい。海辺の旧市街で34基、山側の新興住宅地で50基。中でも有名なのは旧市街の34基のだんじりだそうだ。
この祭りが、市民一人一人からの浄財で賄われ、これだけの数の見事な彫り物のだんじりは、他では類を見ない。だんじり祭は別名「喧嘩祭」と言われるほど、毎年何人かの怪我人や、場合によっては死者も出るほどの荒々しく勇壮な祭だ。
私は頭の中でそんな喧嘩祭の光景を思い浮かべながら、ロダン事務局スタッフの横田に、「岸和田といえば地車。地車と言えば喧嘩祭のイメージがぱっと浮かぶよなぁ。」と声をかけると、唐突に「社長、ハレとケって知ってますか?」と切り返された。冒頭にもある様に、この「ハレとケ」という言葉をこのときに初めて耳にした。どうもこの「ハレとケ」という言葉が、岸和田のだんじり祭りを理解する上で重要だというのだ。